牛乳について。

     
 

ジェラート作りの根幹となる食材、牛乳。牛乳のことをよく知らないと、まずおいしいジェラートは作れません。できるだけ簡単に書きますが、簡単に書きすぎても伝わらないわけで。

興味がある方は以下どうぞ。


一般に、牛乳の味について語られる場合は、牛の品種と殺菌方法について語られる事が多いです。後は、後述のホモゲナイズド加工がしてあるかどうか。


あまり語られはしませんが、店主の個人的にはそもそもの牛の飼育されている環境やエサの種類や良し悪しが一番味に影響を与えると思っています。牛はみんなのんびり牧草を食べているイメージが多いと思いますが、実際はエサといっても本当に様々のようです。

→エサについて。

同じ牛乳でも、例えばある牛乳は5月くらいから生の牧草を食べ始めるので、青っぽい風味がのったりと季節によって味は微妙に変わってきます。乳脂肪分などもエサだけの影響ではないですが、年間を通して変化がありますし、季節により搾乳量にも変化があります。



≪さて、まずは殺菌方法から。≫


・超高温瞬間殺菌法。 (UHT) ウルトラ・ハイ・テンパーチャー。

120℃〜140℃くらいで、0.5〜2秒ほど殺菌します。
市販の牛乳のほとんどがこの方法をとっています。殺菌力が高く、そのおかげで保存期間が長く取れたりするのが主な理由です。
高温のせいで、生乳中に含まれるたんぱく質やカルシウムが多少影響を受けて、臭みとなったり微妙な食感の変化があったりすると言われています。雑菌と一緒に一部の味に有益なバクテリアなども一緒に殺菌してしまう方法です。

”牛乳のくさみ” と言われているものの原因の大半はこの超高温と言われる温度による殺菌のせいかもしれません。搾りたての生乳にはない匂いはどこでつくのか。ここではないでしょうか。 

※ちなみに、LL牛乳(滅菌牛乳、ロングライフ牛乳)というのは、3℃以下の専用タンクに生乳を貯蔵して、すばやく135℃〜150℃で2,3秒ほど滅菌処理、専用パックに無菌充填したものです。
多少のビタミンの破壊と独特の加熱臭はあるものの、常備品としてや離島への配送用など、栄養補給の面でとても役に立っています。

それにしてもよく考えたものです。


以下の2つは、19世紀フランスの細菌学者パスツール博士が開発した技術から名前を取って、パスチャライズド製法と呼ばれたりします。

・高温短時間殺菌 (HTST) ハイ・テンパーチャー・ショート・タイム。

専用のプレートヒーターなどで72〜85℃で 2〜15秒間の殺菌をする。
日本の流通している牛乳のうち3〜4%くらいがこの方法をとっているそう。

・低温長時間殺菌 (LTLT) ロー・テンパーチャー・ロング・タイム。

温度を保てるような殺菌機で、62〜65℃で30分殺菌する。
この方法に至っては、1%くらいしかないらしいです。大きいスーパーなどに行かなければ製品は手に入らないかもしれませんね。値段も少々高いようです。

これらの方法が避けられる理由としては、 

 ・滅菌が完全ではないので日持ちがしない。(菌が繁殖しやすい。)

 ・管理が大変。 ・設備・加工に対する基準が厳しく、生乳にも質が求めら  れる。賞味期限が短い分、販売・流通が難しくなる。

・・・じゃあ、メリットは何でしょう。

まず、余計な菌を殺さない。これにより、風味が残ります。
そして、上記の加熱による臭みが生じないこと。つまり、生乳本来の味に近いのです。主観ですが、味はいいと思います。

尚、栄養価的にはUHTでもあまり大差はないらしいです。


個人的には、ミルクティーなどを作ると味の違いがわかり易いと思います。興味を持ったらぜひお試しください。

ちなみにアクオリーナでは低温殺菌の牛乳を使っています。



≪ホモジナイズド製法について。≫

よく、ホモ牛乳とか、ノンホモ牛乳という言葉を聞きませんか?
そのホモのことです。意味は、均質化、とか。

この場合、生乳中の脂肪分を人工的に砕いて細かくする作業を言います。そうすると、脂肪が均一になって浮いてこない、良く知っている牛乳になるんですよ。  この作業をしていない自然に近い状態の物をノンホモゲナイズド牛乳 (ノンホモ牛乳) といいます。

いま流通している牛乳のほとんどがこの工程が入るホモ牛乳で、特にそれらの牛乳に ”うちのはホモです” ”ホモ加工しました!”  などの表記はありません。逆に、希少なノンホモのものはその旨アピールしてあります。

知らないお客さんが買って、数日して脂肪が分離してきたらお店に怒りのクレーム電話、となりかねないそうです。実際、ノンホモの牛乳に対して (大体はパッケージに分離の旨書いてありますが) こういった類のクレームは今でもたまにあるそうな。


もう少し詳しく説明します。製法としては、微細な隙間から生乳を高圧で押し出して、脂肪球を砕きます。それによって脂肪は浮力を失い、均質な水中油滴型の脂肪になります。それを通常2回繰り返します。
(大きさは、20μm → 2μm つまり約10分の一になります。)


さて、なんでこんな事をするのかというと、これをしないと3、4日くらいすると脂肪分が浮いてきたり分離し始めたりしてしまうので、それを防ぐためです。あとは消化しやすくなると言われています。

意外と知られていませんが、 ホモ加工をしないとその後の殺菌の時に機械に脂肪がくっついて、手入れが大変になるらしいです。


では、ノンホモだと何がいいのでしょうか。
ひとつは、人間の舌は脂肪分が大きい方が感知しやすく、それにより風味をしっかり感じられるということ。本来の味を味わえるということでしょうか。


そもそも、生クリームとは生乳を放っておいたら上に浮いてくるクリームをとったものです。じゃあ、 しばらくしたらクリームが浮いてくるノンホモ牛乳も自然な物という考え方もできます。

実際、コクを感じられると思います。こちらもなかなかないけれど、お試しあれ。

まとめになりますが、低温殺菌、ホモゲナイズド、良し悪しという事ではありません。何を選ぶにせよ、知っている、という事が食べ物作りをする上で、食べ物飲み物を摂る上で大切なのではないでしょうか。 

 

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